忙しい、忙しい、と言いつつ、実は「暇」だった。この本は、時間管理のテクニックを解説した本ではありません。時間に対する考え方が変わる本です。そもそも、時間管理をしなくてもよくなるかもしれません。
日本初の民間ロケット宇宙到達、年金デモ批判など、
その言動が常にニュースになるホリエモンが、
最も大切にする「時間哲学」を初めて語り尽くした!
「バカに恵む時間は1秒もない」「報告会議は時間の集団自殺」。
人生を変える革命の書!バカに恵む時間はない!
あなたの人生に「革命」を起こす!ホリエ式時間術
・「時給」の仕事はするな
・人前でも遠慮なくスマホをいじれ
・報告会議は時間の“集団自殺”
・睡眠を削るのは命の“前借り”
・長期の目標や計画は持つな
昔からホリエモンは好きなのですが、積極的に情報を追いかけたり著書を読んだりはしていません。たまに流れてくる記事を読んだり動画を観たりする感じです。今回は、ちょうど「時間」について考えていたときに、本書のプロモーション記事が流れてきたので、手にとってみました。
個人的には「暇」というワードが刺さりました。忙しいフリをしているけれど、実は暇だった。「多忙」と「暇」は同義であると書かれています。
「多忙 」な人というのは、ものすごく忙しいにもかかわらず、心のどこかでは「退屈」しきっている。膨大な仕事を次から次へと処理しながらも、どこかでそれを冷めきった目で見ていて、本当はそれに飽き飽きしている。「多忙」と「暇」というのは、真逆のようでいて、じつはそっくりな状態なのである。
これは、振り替えると、確かになと思います。その上で、人生における最大の無駄は「悩み」の時間であるとしています。暇なときの方があれこれ悩んだりしませんか?僕は、細かいやりたい事がたくさんあって、それを片っ端からやっているときには、調子良く感じます。一方で、仕事がただ忙しいという時期には、あれこれ悩み始めるのです。
そういう僕が普段感じている事が、ホリエモンの言葉で文章化されています。
ストレスの99%は「過去」か「未来」に由来したものである。
「現在」のなかには、大したストレスは存在していないのである。
では、過去や未来について考えないようにするには、どうすればいいのか?これも答えは簡単だ。極限まで予定を詰め込んで、忙しくするのである。
これは、後半の方から引用してきたのですが、そこまで読む間に、ただ忙しくするということではないというのが分かります。夢中になれる事で予定を詰め込むのです。
心から熱中できる対象を持っていないからこそ、そのダブついた時間を「忙しいフリ」をして埋めているのである。
「子ども=余裕がある、大人=忙しい」という見方がまかり通っているが、ぼくは真逆だと思う。子どものほうが、つねに目の前のことに夢中で、充実した時間を過ごしている。
「自分にとっていちばん大切なことは何か?」を考え、それ以外はすべて手放す。ミニマリストの本に書かれていそうですね。これができれば、そもそも時間管理をしなくても良さそうな気がします。
さて、問題は、夢中になれる事を見つけられるか。それについては、「川」の例えが分かりやすいです。
下流に向かってただ流されるしかないという点では、みんな一緒である。
だからぼくは、ムダな努力はしない。流されるがままだ。
力を抜いて水面に浮かんでいれば、余計なストレスはないし、運悪く水を飲んでしまうこともない。じつに快適なものだ。
そうやってリラックスしていると、ときどき川のどこからか「果物 」がこちらに流れてくる。手を伸ばしてかじってみると、とてつもなくうまい。そうやって次々に視界に入ってきた「果物 」に夢中になっているのが、ぼくの人生だ。
ここだけ切り出しても伝わりづらいと思いますので、詳しくは本書を読んでみてください。
その他にも、時間に対する考え方を変えるための考え方が書かれています。いくつか気になったものをピックアップしてみます。
大事なのは「続けること」ではなく、「動き続ける」ことだ。動くためには、やる前から継続なんて考えるほうが愚かなのだ。
幸福というのは、努力や成長を積み上げた先にある「点」などではない。日々のあらゆる時間のなかに横たわっている「線」だ。
お金というのは単なるツールにすぎない。それなのに、お金そのものに価値があるかのように思い込んでいるから、貴重な時間をお金に変えてしまう。
しかし、わざわざ段階を踏む必要なんてあるのだろうか?0歩でたどりつけるなら、それがベストではないだろうか?
それから、予防医療について書かれている点が面白かったです。手持ちの時間を浪費しないためには、病気にならないことが一番ですからね。もちろん、メンタル面についても触れられています。
自分の中に時間革命を起こすためには、自信が必要なのだと思います。著者は、自信とは「自分をコントロールできるという確信」だと言います。
自信には根拠なんてないほうがいいのだ。根拠がないからこそ、崩れることがない。
普段から、ホリエモンの言葉には嘘がないように感じています。彼の場合は、ポジショントークをする必要がないからでしょうか。本書は、時間に対する根本となる考え方を知ることができ、さらにいくつかのトピックも読むことができて、それぞれ納得感のあるものでした。
ウェブ媒体だと結論だけを述べるため、アンチに叩かれがち(本人は何とも思っていないでしょうが)ですが、書籍だときちんと分かりやすく書かれているので、普段のホリエモンの発言が受け入れられない人にもおすすめできると思います。
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