自己啓発書?この手の本を読むのはめずらしいのですが、まあ、たまにはいいかなと。「5秒ルール」自体はとてもシンプルで、本を読むほどではない気もしますが、あえて本で読むメリットもあると思っています。
本書では、著者が編み出した「5秒ルール」にまつわるエピソードや、
5秒ルールとは何か、なぜ効果があるのか、その確たる科学的根拠を伝えています。
また、実際に「5秒ルール」を使って驚くような経験をしたと、
世界中の人々がSNSで投稿したり、著者に直接話してくれたりした、
たくさんのエピソードもあわせて掲載しています。
◆朝起きられるようになりたい
◆疑心暗鬼を取り除きたい
◆先延ばし癖をやめたい
◆依存症やうつ病を克服したい
◆飲酒をやめてダイエットしたい
◆新しいビジネスを始めたい
◆好きなあの子に告白したい
◆アイドルになる夢を叶えたい
どんな願いや悩みでも
5秒ルールはすべてに役立ち、
あなたの背中を押してくれます!
何かやりたいけれども気が乗らない時に、「5、4、3、2、1、GO! 」とカウントダウンすると実行できるという。ただそれだけです。ただそれだけなのですが、効果はあります。ポイントは、カウトダウン中に思考を止めることで、やらない理由を探すのを防ぐという点です。
効果はあります。と言いましたが、このルールを知る前から似たようなことをやっていたのです。例えば、誰かに電話をかける時。僕は電話をかけるのが苦手で、ついつい後回しにしてしまいます。そこで、思考を止めて、とにかく発信する。そうすると、意外とちゃんと電話できるのです。
この、超シンプルな5秒ルール。これをどうやって単行本1冊分に仕上げたのだろう。その興味でもって本書を手にしたという側面はあります。ハリウッド映画の構成がテンプレ化しているのと同じように、USの自己啓発書にもテンプレがあると考えています。本書は、そのテンプレ通りの構成ですね。
導入、生活の破綻、気づき、立て直し、成功、実践者の声、Q&A…というテンプレです。本書はシンプルすぎて内容が少ないので、実践者の声(ツイートやメール)がかなり多めに取り上げられています。それを読んで、実践しようという気持ちになれば、本書を読む意味はあるかと思います。
まあ、それにしても、5秒で説明できる5秒ルールで本を1冊書けるというのは、すごいものです。いろいろなYouTubeを観たり、Voicyを聴いたりしていて、常々思っていますが、質問やコメントは良質なコンテンツになりますよね。そういったコンテンツが自動的に集まってくるところまでいけば、成功と言えるのではないでしょうか。
さっきから、本書をおすすめしたいのかどうか微妙なことを書いていますが、結論としては、読む価値はあるのではないか。個人的に、自己啓発書が苦手なので、歯切れ良くおすすめはしませんが、それでも価値はあると思いました。
なぜかというと、5秒ルールはシンプルすぎて、生活の中に定着しづらいと思うからです。前提として、5秒ルール自体は有効だと考えています。いま議論しているのは、本書を読むかどうか。そこで、5秒ルールの脳内での存在感をより大きくするために、1冊分の文章を読むと良いのではないかという気がします。
グダグダした時に、5秒ルールの存在を思い出して実行できれば、それで良いと思います。知ってるだけだと、いざという時に出てきませんから、本を読むなり動画を観るなりして、脳に定着させるとよさそうです。
先週末、5秒ルールを使って、早起きと家の掃除を済ませました。中島聡「なぜ、あなたの仕事は終わらないのか」のロケットスタートにも通じると思うのです。朝起きて、雑念が湧く前に仕事に取り掛かる。良い意味での思考停止は大切です。
ただ、注意点もあります。本書では、うつ病についても効果があるように書かれています。しかし、うつ病やうつ状態の時に、無理に決断や行動を促すのは危険です。自分を奮い立たせようとせず、専門医にかかって、しっかり療養してください。
自己啓発書は、容量用法をお守りの上、お楽しみください。
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