マニュアル撮影のススメ(ホワイトバランス編)

マニュアル撮影のススメ(ホワイトバランス編) 撮影技術

写真を撮るのをもっと楽しむためにマニュアル撮影に挑戦してみようという、この企画。マニュアル撮影がわかってくると、カメラの仕組みがわかってくるので、撮影スキルも上達するのではないでしょうか。たぶん。たぶん。たぶん。

マニュアルホワイトバランス

ホワイトバランスは、写真が青っぽかったり、黄色っぽかったりするアレです。調整すると、ちょうど良い色になります。ただし、何を持って「ちょうど良い」とするかは、個人の狙いによります。ですから、ホワイトバランスには正解はないと言えるでしょう。

とはいえ、ポートレートだと肌色を綺麗に見せたいですよね。肌が緑がかったりしないように。食べ物だったら、温かい食べ物は暖色寄りに仕上げることが多いと思います。逆に、風景やスナップだと、それこそ正解はない気がします。狙いによって、暖色系にしたり寒色系にしたり、もしくは見たままに近い色にしたり。

デジカメのオートホワイトバランスは、ニュートラルな色に近づけようとにしてくれます。これを写真の狙いに応じて、マニュアルで設定してみましょう。

マニュアルホワイトバランスのメリット

1. 雰囲気を作れる

オートだとニュートラルな色になってしまうので、例えば居酒屋の赤っぽい雰囲気が出なかったりします。その場所の雰囲気を再現するためにはマニュアルで設定する必要があります。

2. 一定の条件で撮れる

例えば、ポートレートで同じ場所でポーズを変えながら撮影する時、オートにしていると写真の色みにバラツキが出ることがあります。そうすると、現像やレタッチの時に手間がかかりますよね。マニュアルで露出を合わせていると、常に一定ホワイトバランスになりますから、後処理が楽になります。

ホワイトバランスの設定方法

カメラのホワイトバランスの設定を見てみると、「オート」の他に「太陽光」「日陰」「電球」「蛍光灯」などのシーンが用意されています。電球の下で撮影をする時に「電球」に合わせておくと、白いものが白く写ります。

その代わりに、電球の暖かい色がニュートラルな色合いになってしまいます。その場合には、あえて「太陽光」などで撮るという方法があります。

もっと細かく調整したい場合は、色温度で合わせます。単位は「K(ケルビン)」です。太陽光の下で撮影する時が、だいたい5500Kくらいです。数値を小さくすると青っぽく、大きくすると黄色っぽくなっていきます。つまり、電球の下で撮影する場合、太陽光基準の5500Kでは黄色っぽく写りますから、数値を小さくして青みを足すと、白い物が白く写るようになります。

最後に、その場で撮影したものを無彩色として扱うモードがあります。白やグレーなど色のついてないものを画面いっぱいに撮影して、これは色がついてないよとカメラに教えてあげます。メーカーによってこの機能の呼び方は違うと思いますが、一眼だと大抵はどのカメラにも搭載されているはずです。

また、メーカーによっては、ホワイトバランスを決めた後に、さらに微調整をすることができるカメラもあります。後ほど作例をお見せします。

マニュアルホワイトバランスの実践

何を撮るかによって変わってくると思います。ここでは僕がお散歩写真を撮る時の流れを説明します。

基本は「太陽光」または5500Kに設定しておきます。それで撮影してみて、赤みを足したいなとか、青みを足したいなというのに応じて、設定を変えていきます。どのシーンを選ぶか、色温度の数値を大きくするのか、小さくするのか、それによってどう変化するのかを覚えておくと早いですね。

JPEGと一緒にRAWも保存しておくと、後から現像時にホワイトバランスを変えることができます。ですから、撮影時点で失敗していても大丈夫です。最近はJPEG撮って出し縛りプレイをしているので、かなり慎重になっていますが。

イベントカメラマンをしていて、照明の具合が難しい時には、オートホワイトバランスで撮影することが多いです。富士フイルムのカメラはオートがかなり優秀です。また、カメラマンの時には白いシャツを着るようにしているので、自分のシャツを撮影して、これが白だよとカメラに覚えさせたりもします。(白いものを撮影してホワイトバランスを設定する場合には、白が明るすぎるとうまくいかないので注意してください)

作例

個人的には、なんでもニュートラルに撮るのが好きなので、ホワイトバランスを操作した写真が少なかったりします。なので、参考になるか分かりませんが。とりあえず。

居酒屋の赤っぽさをそのまま出した写真です。カメラによってはオートで撮ると、赤みがなくなってしまうかもしれません。

マニュアル撮影のススメ(ホワイトバランス編)

朝焼けを「太陽光」で撮りました。ちょうど良いと感じたので、それ以上は操作していません。

マニュアル撮影のススメ(ホワイトバランス編)

ここから3枚は一時期はまっていた設定です。富士フイルムのカメラでホワイトバランスを決めたとにさらに色を調整する「ホワイトバランスシフト」という機能で調整しています。

マニュアル撮影のススメ(ホワイトバランス編)
マニュアル撮影のススメ(ホワイトバランス編)
マニュアル撮影のススメ(ホワイトバランス編)

ペンタックスのカメラにはホワイトバランスの中に「CTE」というモードがあります。色の偏りを強調するモードです。独特な雰囲気の写真になります。

マニュアル撮影のススメ(ホワイトバランス編)

桜の花は、想像しているよりも白いです。普通にオートで撮ると白く写ってしまいます。下2枚は少しだけ暖色寄りにすることで、桜の花をほんのりピンクにしています。

マニュアル撮影のススメ(ホワイトバランス編)
マニュアル撮影のススメ(ホワイトバランス編)

これは、お店の中でニュートラルに撮った例。白い皿が白く写っています。

マニュアル撮影のススメ(ホワイトバランス編)

ガジェット類は、少しだけ寒色寄りにするとクールな印象になります。この2枚はスマホで撮影したので、撮影時はオートで、レタッチする時にホワイトバランスを変更しました。

マニュアル撮影のススメ(ホワイトバランス編)
マニュアル撮影のススメ(ホワイトバランス編)

面白い作例がなかったですね。色々撮っておかねば。ホワイトバランスの設定を上手く使った撮影法については、いろんな参考書で解説してありますので、参考にしてみてください。

最後に

前回の露出編はフルマニュアルでなくても、絞り優先モードやシャッター速度優先モードで狙いの写真を撮ることができました。今回のホワイトバランスは、オートでは狙った写真は撮れません。また、狙っていなくても、色々な設定で撮ってみると、面白い写真が撮れたりします。

RAW形式でも保存しておけば、撮影時に失敗していても後から修正が効きますから、気軽に挑戦してみてください。

(質問があればお気軽に。文章に間違いがあったら「優しく」指摘してください)

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