小説家、西加奈子のエッセイ集。小説のほうは読んだことがないのですが、エッセイの評判が良かったので読んでみました。「面白おかしい」エッセイを読みたい人におすすめ。
テヘランで生まれカイロと大阪で育った著者が、小説の舞台となった大阪のこと、いろんな人との関わり、日々の生活で思ったこと、こだわること、などを縦横無尽に語る。『ミッキーかしまし』『ミッキーたくまし』をテーマ別に整理しなおし1冊にまとめた、著者唯一のエッセイ集。世界とのかかわり方、楽しみ方、その存在の強度が圧巻。小説の根っこが顔を覗かせる。
読みやすくて面白いので、万人受けするエッセイだと思います。ただし、個人的に笑いを狙いすぎているエッセイがあまり得意ではありません。本書は、がっつり笑いを取りに来てます。狙いすぎているというのは、著者本人もあとがきで述べている通り。そういう意味では、(本当に個人的にですが)若干苦手なタイプ。
前半は、お酒を飲んで乱れる武勇伝が多く、かなりまわりに迷惑をかけている様子。面白いのだけど、やっぱり苦手。うぇいうぇいみが深いネタに、賛否が分かれそう。
タレントのエッセイと違って、やはり言葉の扱いに関しては、さすが小説家だと感じました。おそらく、各エッセイは書かれた時系列に並んでいると思うのですが、後ろに行くほど洗練されてくるように感じます。もちろん、小難しくなる訳ではありませんよ。
改めて、本書の対象は、気軽に「面白おかしい」エッセイを読みたい人。大宮エリーの「生きるコント」のようなエッセイが好きな人には、合うかもしれません。息抜きに読んでみてはいかがでしょうか。
次は、小説も読んでみたいと思います。
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