運動会撮影、意識低い系AF攻略法

運動会AF攻略法 撮影技術

わが子の運動会の撮影をしてきました。小学校と中学校、2週連続。中学校ではPTAの広報委員をやっているので、わが子だけでなく全競技を撮影しました。さすがに疲れています。

今回は、一眼カメラで運動会撮影をするコツを紹介しようと思います。日中で十分に明るいので、色々な設定を触る必要はないと思います。今回のポイントはAF(オートフォーカス)だけ。

この記事のカバー画像の写真のように、背景をぼかして、走っている子どもを撮ってみましょう。意識低い系の記事なので、できるだけ簡単な方法で。

お使いのカメラによって、操作、用語、画面が違うので、画像は載せずに、テキストだけで解説しますね。本当は、画像を用意するのが面倒なだけですが。何しろ、疲れているので!

絞りと焦点距離

いきなり、フォーカスの話ではないのですが。絞りの数値を小さくするほど、背景がぼける代わりに、ピントの合う範囲が狭くなります。ということは、ボケを諦めて絞りの数値を大きくすれば、ピントを合わせやすくなります。

焦点距離は、望遠にするか広角にするかということです。被写体が同じ大きさになるように撮影する場合、望遠になるほど、背景がぼける代わりに、ピントの合う範囲が狭くなります。絞りの数値と合わせて、ボケを優先するか、ピンぼけを防ぐのを優先するか、そのトレードオフとなります。

なお、被写体から背景までの距離が遠い場合は、絞りの数値を大きくしつつ背景をぼかすことができます。撮影ポジションも重要ですね。

フォーカスモード

AF-S(普通のAF)、AF-C(コンティニュアスAF)、MF(マニュアルフォーカス)の3つは、大抵のカメラで設定できると思います。

AF-S(普通のAF)

シャッター半押しでピントを合わせて、全押しでシャッターを切ります。今時のカメラであれば、ミラーレス機でも一眼レフ機と同じくらいの速さでピントが合います。新しい機種の方がフォーカスが速いものが多いです。

基本的にファインダーの中央にピントが合いますので、子どもを画面の中心に持ってきます。フォーカスエリアの移動もできるので、中心以外にフォーカスすることもできるのですが、難易度が上がりそうな気がしますね。

AF-C(コンティニュアスAF)

シャッターを半押ししている間、フォーカスエリアにある被写体にピントを合わせ続けてくれます。シャッター半押しのまま、走っている子どもを追いかけ続ければ、常にピントが合っている状態になります。

便利な反面、わが子がフォーカスエリアから外れると、隣の子や背景にピントが合ってしまいます。しっかりレンズを向け続ける必要があります。

MF(マニュアルフォーカス)

走っている子どもをマニュアルフォーカス?と思われるかもしれませんが、AFが難しい場面で「置きピン」というテクニックを使うことがあります。被写体が来る位置にあらかじめピントを合わせて待ちます。そして、ピントを合わせた位置に被写体が来たタイミングでシャッターボタンを全押しします。

フォーカスを合わせる時間をゼロにできるので、シャッターチャンスに強いというメリットがあります。ただし、絞りの数値を小さくしていると難易度が上がるので、ある程度は背景ボケを諦めて数値を大きくする方が良さそうです。

フォーカスエリア

ファインダーや背面液晶を見たときに、フォーカスが合う枠が表示されます。その枠の大きさを調整します。枠を大きくする方が、正確に中心をわが子に合わせなくても良くなります。一方で、枠の中にある他の子や背景にピントが合ってしまう可能性があります。

ここで、お子さんが出場する競技について考えます。50メートル走など、わが子と隣の子が重なりやすい場合には、フォーカスエリアを狭くしないと、わが子にピントが合いづらくなります。一方で、長距離走やリレーの場合は、差がつきやすくなり、わが子だけを狙いやすくなります。その場合は、フォーカスエリアを広くして、ピントを合わせやすくすると良いでしょう。

連写機能

連写機能を使う場合には、AF-Cでピントを合わせつつシャッターボタンを押しっぱなしにするのが簡単です。連写されている間、ピントが合い続けてくれます。ただし、わが子がフォーカスエリアから外れると、残念な写真が量産されます。

個人的には、連写機能を使わずに、シャッターボタンを何度も押すというのもおすすめです。運動会だと、明るさが十分にあるので、カメラの持つ最高のAF速度が発揮されます。AF速度がそこそこ速いカメラであれば、半押しした瞬間にピントが合うので、ほぼタイムラグなしにシャッターを切ることができます。

撮影ポジション

子どもが走ってくる正面から撮影するのが一番簡単です。ファインダーの中心に子どもを捉えやすいからです。また、短距離であれば隣の子にピントが合っても、わが子もほぼ同じ距離を走っているので、ピンぼけのリスクは低いです。

しかし、個人的なおすすめは、コーナーです。走って近づいてくる姿、45度くらいの姿、横向きの姿のどれも狙うことができます。ただし、コーナーを曲がる子どもをフォーカスエリアに入れ続けなければいけないので、正面から撮るのに比べて難易度が上がります。

意識低い系おすすめ

運動会撮影は、ここまでに説明した内容の組み合わせになります。それでは、どう組み合わせれば良いでしょうか。

まず、狙う種目は長距離走かリレー。コーナーを狙える位置でカメラを構えてください。絞りの数値は小さめにして、背景をぼかします。フォーカスモードは通常(AF-S)で、フォーカスエリアは大きめ。連写機能は使いません。

最初にシャッターボタンを押すであろう位置の地面にピントを合わせます。この地点をX地点とします。この状態で待機。(あらかじめピントを合わせておくことで、少しでもAF速度を稼ぎます)

子どもがスタートして、X地点に近づいて来るまで、肉眼で確認します。できる人は、片目でファインダーをのぞきつつ、もう片方の目で肉眼確認してください。X地点に近づいてきたら、ファインダーをのぞいて、X地点でシャッター半押しから0.1秒後(お使いのカメラに応じて調整)にシャッター全押し。続けてシャッター半押し・全押し、これを繰り返します。

これで、最高の1枚〜数枚が撮れているはずです。ここから、意識の低さを発揮します。その他の競技については、絞りの数値を大きくしたり、正面から撮影したり、安全策を取ります。フォーカスモードとフォーカスエリアは、競技によって変えてください。

ベストショットは数枚あればいいんです。わが子の写真は構図が悪くても、ピンぼけしててもいいんです。意識の高さよりも、愛情です。

さらに上を目指すには

AF速度が速いほど有利ですし、動く被写体を撮影するのに便利な機能があると良いですね。ポジション取りができなかったら、望遠レンズが必要です。しかも、AFの速いレンズ。ということは、性能の良いカメラやレンズを買えば運動会撮影は攻略できるわけです。もちろん、そういうカメラは、価格も高くなります。

我々、意識の低い日曜フォトグラファーにとって重要なのは、撮影スキルではなく、家庭内稟議を通すテクニックだということを心得ておきましょう。

重要なのは、撮影スキルではなく、家庭内稟議を通す力

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